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筋肉を「育てる」、腰痛を再発させないための体幹トレーニング
ストレッチで硬くなった筋肉を「緩める」ことは、腰痛の改善に非常に重要ですが、それだけでは不十分です。痛みが和らいだら、次のステップとして、腰を安定させ、痛みの再発を防ぐための「天然のコルセット」、すなわち「体幹のインナーマッスル」を、再び目覚めさせ、育てていく必要があります。ここでは、腰に負担をかけることなく、安全に体幹を鍛えるための、基本的なトレーニングを二つご紹介します。一つ目は、「ドローイン」です。これは、お腹の深層にある、まさにコルセットの役割を果たす「腹横筋」を、ピンポイントで活性化させるための、最も基本的なエクササイズです。仰向けに寝て、両膝を立て、腰と床の間に、手のひら一枚分の隙間ができる、自然な背骨のカーブを保ちます。息をゆっくりと、細く長く、全て吐ききります。お腹が、これ以上ないというくらい、ぺったんこになるまで吐ききり、おへそを背骨に近づけるようなイメージです。この、お腹を薄くした状態を、浅い呼吸を続けながら、10〜30秒間キープします。この時、お腹の表面(腹直筋)が硬くなるのではなく、お腹の奥の方、あるいは脇腹あたりが、きゅっと締まる感覚があれば、正しくできています。まずは、この感覚を覚えることから始めましょう。二つ目は、「バードドッグ」です。これは、腹横筋と、背骨を支える「多裂筋」を、協調して鍛える、非常に優れたエクササイズです。四つ這いの姿勢になり、肩の真下に手、股関節の真下に膝をセットします。まず、ドローインでお腹を薄くし、体幹を安定させます。その安定を保ったまま、息を吐きながら、右腕を前方に、そして、それと同時に、左脚を後方に、床と平行になるまで、ゆっくりと伸ばしていきます。この時、腰が反ったり、骨盤が傾いたりしないように、体幹は、一枚の板のように、完全に固定したまま行うのがポイントです。伸ばし切ったところで数秒キープし、ゆっくりと元の位置に戻ります。反対側(左腕と右脚)も同様に行います。これらのトレーニングは、決して派手な動きではありません。しかし、この地道な「筋肉の再教育」こそが、外部のコルセットに頼るのではなく、自分自身の力で腰を守る、生涯にわたる、本質的な腰痛対策となるのです。