足のしびれは危険信号?「椎間板ヘルニア」による腰痛
腰痛と共に、「お尻から太ももの裏、ふくらはぎ、そして足先にかけて、電気が走るような痛みや、ジンジンとしたしびれ」を感じる場合、それは、原因が特定できる「特異的腰痛」の中でも、特に代表的な疾患である「腰椎椎間板(ようついついかんばん)ヘルニア」の典型的なサインです。背骨は、椎骨という骨と、その間でクッションの役割を果たしている「椎間板」という軟骨組織が、交互に積み重なってできています。椎間板は、中心部に「髄核」というゲル状の組織があり、その周りを「線維輪」という、丈夫な膜が、何層にもわたって取り囲んでいます。しかし、重い物を持ち上げたり、悪い姿勢で長時間座り続けたりすることで、この椎間板に強い圧力がかかると、線維輪に亀裂が入り、そこから、中の髄核が、まるでアンパンからあんこがはみ出すように、外に飛び出してしまいます。この飛び出した髄核が「ヘルニア」です。そして、このヘルニアが、背骨の中を通っている、足へと向かう重要な神経(坐骨神経など)を、物理的に圧迫することで、腰の痛みだけでなく、その神経が支配する領域、すなわち、お尻から足にかけて、激しい痛みやしびれ(坐骨神経痛)を引き起こすのです。椎間板ヘルニアによる腰痛は、特に、椅子に座る、靴下を履くために前かがみになるといった、腰を丸める動作で、痛みやしびれが悪化するのが特徴です。逆に、背筋を伸ばしたり、うつ伏せになったりすると、症状が和らぐ傾向があります。多くは、20代から40代の、比較的若い世代に好発します。ほとんどのヘルニアは、自然に吸収されて治癒に向かいますが、症状が強い場合や、足に力が入らないといった麻痺症状が現れた場合は、専門的な治療が必要となります。