腰痛対策用の座布団やクッションは、その形状や素材によって、いくつかの種類に大別され、それぞれに異なる特徴と得意な分野があります。自分の腰痛のタイプや、使用するシーンに合わせて、最適なものを選ぶための知識を身につけましょう。まず、最もオーソドックスで、姿勢矯正の基本となるのが「傾斜(ウェッジ)型クッション」です。これは、座面の後方が高くなっており、前に向かって緩やかな傾斜がついているのが特徴です。この傾斜に座ることで、骨盤が自然と前に傾き(前傾)、背筋が伸びやすくなります。特に、背中を丸めて座る「猫背」の癖がある方に効果的です。次に、人間工学に基づいて、より積極的な姿勢サポートを目指したのが「骨盤サポート(エルゴノミクス)型クッション」です。お尻の形に合わせた立体的な凹凸があり、左右の坐骨をしっかりとホールドし、太ももが乗る部分にもガイドがあるなど、座るだけで自然と骨盤が立った状態に導かれるように設計されています。多くの製品がこのタイプに属し、腰痛対策の主流となっています。また、「U字型・ドーナツ型クッション」もよく見られます。これらは、中央に穴が開いており、特にお尻の尾てい骨周辺や、肛門周りに痛みがある方(産後の女性や痔に悩む方など)の、座面への圧迫を避けるために設計されています。腰痛そのものへの直接的な効果というよりは、お尻の痛みを軽減することが主目的です。素材に注目すると、「低反発・高反発ウレタン」が最も一般的です。低反発は体圧分散性に優れますが、腰痛対策としては、ある程度の硬さで体を支える高反発の方が適しているとされます。そして、近年人気なのが「ジェル・ゲル素材」です。卵を置いても割れない、といった宣伝で知られる、ハニカム構造のゲルクッションなどは、体圧分散性と通気性に極めて優れており、長時間座っていてもお尻が痛くなりにくく、蒸れにくいのが最大の特徴です。形状と素材、それぞれの長所を理解し、自分の悩みに最もフィットする製品を選びましょう。