締め付けられる痛み、「緊張型頭痛」との深い関係
スマホ頭痛の中で、最も多くの人が経験するのが、「緊張型頭痛」です。これは、片頭痛のようにズキンズキンと脈打つ痛みではなく、「後頭部から頭全体が、万力で締め付けられるような、重く鈍い痛み」が、だらだらと続くのが特徴です。ひどい時には、ヘルメットをかぶっているような圧迫感や、頭に重い石が乗っているような感覚が、一日中続くこともあります。この不快な頭痛の直接的な犯人は、頭部、首、肩、背中にかけての「筋肉の過緊張」です。スマートフォンを操作する際の「うつむき姿勢」は、重い頭を支えるために、首の後ろにある「僧帽筋」や「頭板状筋」、そして、頭蓋骨の付け根にある「後頭下筋群」といった筋肉を、常に緊張させ続けます。筋肉は、緊張が続くと硬くなり、内部の血管を圧迫します。すると、筋肉への血流が悪化し、酸素や栄養が不足する一方で、乳酸などの疲労物質や、ブラジキニンなどの痛みを発する物質が、どんどん蓄積していきます。これらの痛み物質が、筋肉内にある神経の末端を刺激することで、「痛みの信号」が発生し、脳へと送られます。これが、緊張型頭痛の基本的なメカニズムです。つまり、あなたの頭が痛いのは、頭そのものに問題があるのではなく、首や肩の筋肉が、血行不良によって、いわば「酸欠状態」に陥り、悲鳴を上げている結果なのです。さらに、この筋肉の緊張は、頭蓋骨を覆っている「頭蓋筋膜」という薄い膜にも伝わり、頭皮全体の血行を悪化させ、頭全体が重く感じる原因ともなります。マッサージに行ったり、首を温めたりすると、一時的に痛みが和らぐのは、血行が改善され、これらの痛み物質が洗い流されるためです。しかし、根本原因であるスマホの使用習慣を改めない限り、筋肉はすぐにまた緊張し、頭痛は、何度でも、しつこく繰り返されるのです。