整形外科の選ぶべきポイント

知識
  • なぜ効かない?ブロック注射が効果なしの場合に考えられること

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    大きな期待を寄せてブロック注射を受けたにもかかわらず、「全く痛みが変わらなかった」「数時間で、すぐに元に戻ってしまった」。残念ながら、全ての患者さんに、ブロック注射が劇的な効果を発揮するわけではありません。なぜ、効果がない、あるいは、効果が一時的で終わってしまうのでしょうか。その理由は、いくつかの可能性が考えられます。まず、最も考えられるのが、「痛みの原因(責任病巣)と、ブロックした場所が、異なっていた」という可能性です。腰痛の原因は、非常に複雑であり、MRIなどの画像所見と、実際の痛みの原因が、必ずしも一致しないことも少なくありません。例えば、椎間板ヘルニアが原因だと考えて、神経根ブロックを行ったが、実は、痛みの真犯人は、その隣の椎間関節にあった、といったケースです。この場合、ブロック注射は、診断的な意味合いも持ち、「ここではない」ということが分かるだけでも、次の治療戦略を立てる上で、重要な情報となります。次に、「痛みが、あまりにも慢性化しすぎている」場合です。長期間にわたって、痛みの悪循環が続くと、脳そのものが「痛みに過敏な状態」になってしまうことがあります(中枢感作)。この段階になると、もはや、末梢の神経をブロックしただけでは、脳が作り出す痛みを、十分に抑えることができなくなります。この場合は、痛みに対する認知行動療法や、脳に作用する特殊な薬物療法など、別のアプローチが必要となります。また、「心理・社会的な要因」が、痛みに大きく関わっている場合も、注射の効果は出にくいとされています。仕事や家庭での強いストレス、不安感、抑うつ気分などは、痛みを増幅させる大きな要因です。そして、もちろん、「ブロック注射では対応できない、構造的な問題」がある場合もあります。例えば、脊柱管狭窄症の程度が非常に重度で、神経が物理的に、常に強く圧迫されているような場合は、注射による一時的な除痛効果はあっても、根本的な解決には、手術が必要となることもあります。ブロック注射が効かなかったからといって、落胆する必要はありません。それは、あなたの腰痛が、より別の角度からのアプローチを必要としている、という、体からの重要なメッセージなのです。