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膝から離れた場所?痛みを和らげる「足のツボ」
膝が痛い時、私たちは、つい膝の周りだけをマッサージしがちです。しかし、東洋医学の面白いところは、痛みの場所から離れた「遠隔部」にあるツボを使うことで、より効果的に症状をコントロールできるという考え方です。これは、全身を流れる「経絡」という一本の線路をイメージすると分かりやすいでしょう。膝を通る線路の上流や下流にある駅(ツボ)を刺激することで、線路全体の流れを改善し、膝という渋滞ポイントを解消するのです。膝痛改善のために、ぜひ覚えておきたい、足にある二つの重要なツボをご紹介します。一つ目は、「足三里(あしさんり)」です。膝のお皿のすぐ下、外側のくぼみ(犢鼻)から、指幅4本分ほど下がった、すねの骨の外側にあるツボです。松尾芭蕉が「おくのほそ道」の旅で、足の疲れを取るために、灸をすえたことでも有名な、健脚と胃腸の万能ツボです。足三里は、胃の経絡(胃経)に属し、この経絡は、顔から始まり、胸、腹、そして太ももの前側、膝を通り、足先へと流れています。この重要な経絡の流れを整えることで、膝への気血の供給をスムーズにし、痛みを和らげ、膝を支える筋肉の働きを高める効果が期待できます。二つ目は、「陽陵泉(ようりょうせん)」です。膝の外側、少し斜め下にある、腓骨頭(ひこつとう)という、丸く出っ張った骨の、すぐ手前のくぼみにあるツボです。陽陵泉は、筋肉や腱の不調を治す要穴とされ、「筋会(きんえ)」という別名を持つほど、筋肉の痛みや、こわばり、けいれんに高い効果を発揮します。膝の外側の痛みや、歩行時の不安定感に悩む方には、特に有効です。これらの足のツボは、椅子に座った状態でも、手軽に押すことができます。膝の周りのツボと合わせて、この「遠隔治療」の視点を取り入れることで、あなたのセルフケアは、さらに効果的なものになるでしょう。