お尻に近い、ベルトのラインの腰痛は「仙腸関節」かも
腰痛の中でも、「腰の骨というより、お尻に近い部分が痛い」「ちょうどベルトのラインあたりが痛む」「お尻のえくぼの部分を押すと激痛が走る」といった症状に心当たりはありませんか?もしそうであれば、その腰痛の原因は、これまで見過ごされがちだった「仙腸関節(せんちょうかんせつ)」の不調にあるかもしれません。仙腸関節とは、骨盤の後ろ側、背骨の土台となる「仙骨」と、その左右にある「腸骨」とをつなぐ、非常に重要な関節です。この関節は、上半身の重みを脚に伝え、歩行時の衝撃を吸収する役割を担っており、数ミリ程度のわずかな動きしかしない、強固な靭帯で固められています。しかし、中腰での作業や、長時間のデスクワーク、出産、あるいは転倒による尻もちといった、様々な要因で、この仙腸関節に過度な負荷がかかったり、わずかなズレが生じたりすると、関節やその周りの靭帯に炎症が起こり、強い痛みを引き起こします。これが「仙腸関節性腰痛」です。その痛みの場所には、非常に特徴的なパターンがあります。多くの場合、痛みは片側に現れ、仙腸関節がある「お尻の割れ目の少し上、外側」あたりに、ピンポイントで強い痛みを感じます。椅子から立ち上がる時や、寝返りを打つ時、痛い方の足に体重をかけた時などに、ズキッとした鋭い痛みが生じやすく、長時間座っているのがつらい、というのも典型的な症状です。この仙腸関節性腰痛は、レントゲンでは異常が見つかりにくいため、長年、椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症と誤診されたり、「原因不明の腰痛」として扱われたりすることも少なくありませんでした。もし、あなたの腰痛が、この特徴的な場所に当てはまるなら、一度、仙腸関節の治療に詳しい専門医に相談してみる価値はあるでしょう。