多くの人が、首こりの原因を、首そのものにあると考えがちです。しかし、実は、その根本的な原因は、首の土台である「肩甲骨」の動きの悪さにあるケースが、非常に多いのです。肩甲骨は、背中の上部に位置する、逆三角形の大きな骨で、本来は、肋骨の上を、上下、内外、そして回転と、非常に自由に動くことができる、浮島のような存在です。この肩甲骨の自由な動きが、腕のスムーズな動作を可能にし、首や肩にかかる負担を分散させています。しかし、長時間のデスクワークなどで、背中を丸め、肩を前にすぼめた「猫背」の姿勢を続けていると、肩甲骨は、肋骨にべったりと張り付いたように、外側に開いたまま、固まってしまいます。この「さびついた肩甲骨」こそが、首こりやストレートネックの、隠れた元凶なのです。肩甲骨の動きが悪くなると、本来、肩甲骨が担うべき動きの代償を、全て、その上にある首の筋肉が、無理やり行おうとします。例えば、腕を上げたり、後ろを振り向いたりする際に、肩甲骨が動かない分、首の筋肉が過剰に働き、疲弊してしまうのです。つまり、いくら首のストレッチをしても、この肩甲骨のさびつきを解消しない限り、首の筋肉は、すぐにまた、緊張状態に戻ってしまいます。首を根本から解放するためには、肩甲骨を、その本来あるべき、自由な状態へと導いてあげる必要があります。そのための効果的なストレッチが、「肩甲骨寄せ」です。椅子に座り、背筋を伸ばした状態で、両腕を、手のひらを上にして、体の横に下ろします。そこから、息を吐きながら、両方の肩甲骨を、背骨に向かって、ぐーっと中央に引き寄せます。胸が大きく開くのを感じながら、5秒間キープし、ゆっくりと力を抜きます。この動きを10回ほど繰り返すだけで、固まっていた肩甲骨周りの筋肉がほぐれ、血行が促進されます。首を伸ばす前に、まず、この肩甲骨のストレッチを行うこと。それが、首の不調から抜け出すための、最短ルートとなります。