階段の上り下りでズキッ、立ち上がる瞬間にギシッ。多くの人々を悩ませる膝の痛み。そのつらさから解放されたいと願い、「膝痛を、薬や病院に頼らず、自分で治す方法はないだろうか」と考える人は少なくありません。結論から言えば、その答えは、条件付きで「イエス」です。ただし、そのためには、極めて重要な前提条件があります。それは、まず「自分の膝痛の正体を、正しく理解すること」です。膝痛と一言で言っても、その原因は、加齢による軟骨のすり減り(変形性膝関節症)、スポーツによる靭帯や半月板の損傷、あるいは、関節リウマチのような自己免疫疾患など、多岐にわたります。中には、自分で治そうとすることが、かえって症状を悪化させ、取り返しのつかない事態を招きかねない、危険な膝痛も存在します。したがって、「自分で治す」ための絶対的な第一歩は、一度、整形外科などの専門医の診察を受け、「あなたの膝痛は、運動療法などでセルフケアを行っても良いタイプのものか」という、正確な診断と“お墨付き”をもらうことです。その上で、もしあなたの膝痛が、多くの人々に当てはまる、筋肉の衰えや、使い方の癖に起因するものであれば、自分自身の力で、その痛みを大幅に改善し、コントロールすることは、十分に可能です。「自分で治す」とは、魔法のような特効薬を見つけることではありません。それは、自分の体と真摯に向き合い、痛みの根本原因となっている「筋力不足」と「体の使い方」を、地道な努力で、一つひとつ修正していく、科学的で、かつ論理的なプロセスなのです。