膝の痛みは、お皿の周り全体が痛むこともあれば、「内側だけ」「外側だけ」といったように、特定の場所に限定して現れることも少なくありません。痛む場所によって、原因となっている筋肉や、滞っている経絡が異なるため、使うべきツボも変わってきます。ここでは、痛みの場所に応じた、効果的なツボの使い分けをご紹介します。まず、「膝の内側」が痛む場合です。これは、O脚の方や、歩行時に膝が内側に入る癖(ニーイン)がある方に多く見られ、内側の軟骨や、靭帯に負担がかかっているサインです。この場合、太ももの内側を走行する、肝経や脾経といった、陰の経絡の滞りが考えられます。効果的なツボは、すでにご紹介した「血海(けっかい)」です。血海は、膝の内側の血行を直接的に改善し、痛みを和らげます。もう一つ、おすすめなのが、すねの内側の骨のすぐ際を、膝下から足首に向かってなぞっていき、ちょうど骨のカーブが終わるあたりの、押すと痛みを感じる場所にある「陰陵泉(いんりょうせん)」です。このツボは、体内の余分な水分(湿邪)を取り除く働きがあり、膝に水がたまりやすい、むくみやすいタイプの痛みに効果的です。次に、「膝の外側」が痛む場合です。これは、ランナーや登山者に多く見られる「腸脛靭帯炎」や、X脚の方に多い症状です。この場合、体の外側を走行する、胃経や胆経といった、陽の経絡の滞りが考えられます。効果的なツボは、すでにご紹介した「陽陵泉(ようりょうせん)」です。陽陵泉は、筋肉や腱の専門家であり、膝の外側の組織の緊張を和らげるのに、絶大な効果を発揮します。また、同じくご紹介した「足三里(あしさんり)」も、膝の外側を通る胃経の重要なツボであり、合わせて刺激することで、より高い効果が期待できます。このように、痛みの地図を読み解き、原因に合わせてツボを使い分けることで、より的確なセルフケアが可能になるのです。