「腰の右側だけが痛い」「左のお尻の上が痛む」といった、片側だけに偏った腰痛も、非常に多く見られる症状です。この場合、考えられる原因は多岐にわたりますが、まずは筋肉や関節といった、整形外科的な問題が疑われます。最も一般的な原因は、腰方形筋や脊柱起立筋といった、腰を支える筋肉の片側だけが、過度に緊張したり、損傷したりする「筋筋膜性腰痛」です。無意識の体の癖や、スポーツ、長時間のデスクワークなどで、左右非対称な負荷がかかり続けることで、筋肉のバランスが崩れ、片側だけに痛みが生じます。また、背骨の後ろ側にある「椎間関節」という小さな関節に炎症が起こる「椎間関節障害」も、片側の痛みの原因となります。体を後ろに反らしたり、腰をひねったりした時に、関節がある側の腰に、ズキッとした鋭い痛みを感じるのが特徴です。さらに、骨盤の後ろ側にある「仙腸関節」の不調も、片側の腰からお尻にかけての痛みを引き起こします。しかし、片側の腰痛で注意しなければならないのは、まれに「内臓の病気」が原因となっているケースがあることです。これを「関連痛」と呼び、内臓の痛みを、それとは別の場所にある皮膚や筋肉の痛みとして、脳が錯覚してしまう現象です。例えば、体の右側であれば「腎臓結石(尿路結石)」や「胆嚢炎」、左側であれば同じく「腎臓結石」や「膵炎」などが、腰の片側に痛みとして現れることがあります。内臓由来の痛みは、体を動かしても痛みの強さが変わらない、安静にしていても痛む、冷や汗や吐き気を伴うといった特徴があります。もし、いつもと違う、このようなタイプの片側腰痛を感じた場合は、単なる腰痛と自己判断せず、速やかに内科や泌尿器科を受診する必要があります。