「膝に水がたまる」という症状を引き起こす原因は、一つではありません。その背景には、いくつかの代表的な病気が隠れている可能性があり、原因によって、その後の治療法も大きく異なります。まず、中高年の膝痛で、最も頻度が高い原因が「変形性膝関節症」です。これは、加齢や肥満、過去のケガなどによって、膝のクッションである関節軟骨が、長年の使用で徐々にすり減っていく病気です。軟骨のすり減りによって生じた摩耗粉が、関節内の滑膜を刺激し、慢性的な炎症と、それに伴う関節水腫(水のたまり)を引き起こします。特に、歩き始めや、階段の上り下りで痛み、安静にしていると和らぐのが特徴です。次に、スポーツ選手や、重労働者に多く見られるのが、外傷(ケガ)によるものです。代表的なのが「半月板損傷」と「靭帯損傷」です。半月板は、膝関節の内側と外側にあるC字型の軟骨組織で、衝撃を吸収するクッションの役割を果たしています。スポーツ中の急な方向転換などで、この半月板が断裂すると、強い痛みと共に、関節内に急激な炎症と出血が起こり、膝がパンパンに腫れ上がります。膝の曲げ伸ばしの際に、引っかかり感や、動かなくなる「ロッキング」という症状が現れることもあります。また、免疫システムの異常によって、自分自身の関節を攻撃してしまう「関節リウマチ」も、膝に水をためる重要な原因です。朝起きた時に関節がこわばる「朝のこわばり」や、膝だけでなく、手首や指の関節など、複数の関節が、左右対称に腫れて痛むのが特徴です。このほか、尿酸の結晶が関節内に沈着して、激しい炎症を引き起こす「痛風」や、細菌が関節内に侵入して化膿する「化膿性関節炎」なども、急激な膝の腫れと痛みの原因となります。これらの原因を正確に突き止めるためには、自己判断せず、必ず整形外科を受診することが不可欠です。
膝に水をためる代表的な原因疾患、あなたはどれ?