ギックリ腰の原因にも、「椎間関節性・仙腸関節性腰痛」
腰痛の原因は、椎間板や、神経の圧迫だけではありません。レントゲンには写りにくい、背骨や骨盤の「関節」そのものの不調が、痛みの引き金となることも、非常に多くあります。特に、「椎間関節(ついかんかんせつ)」と「仙腸関節(せんちょうかんせつ)」は、見過ごされがちな、しかし重要な、二大原因関節です。まず、「椎間関節性腰痛」です。椎間関節とは、背骨の後ろ側にあり、上下の椎骨を繋いでいる、左右一対の小さな関節です。この関節が、急なひねり動作や、体を反らす動作によって、捻挫のように傷ついたり(ぎっくり腰の原因の一つ)、あるいは、加齢によって変形したりすると、関節の周りに炎症が起こり、強い痛みを引き起こします。特に、体を後ろに反らしたり、腰をひねったりした時に、背骨の脇の、特定の場所に、ズキッとした鋭い痛みを感じるのが特徴です。朝、起き上がる時に痛みが強く、動いているうちに少し楽になる、という傾向もあります。次に、「仙腸関節性腰痛」です。仙腸関節とは、骨盤の後ろ側、背骨の土台となる「仙骨」と、その左右にある「腸骨」とをつなぐ、強固な靭帯で固められた関節です。この関節に、中腰での作業や、出産、転倒などで、過度な負荷がかかったり、わずかなズレが生じたりすると、強い痛みを引き起こします。痛みは、多くの場合片側に現れ、「腰というより、お尻の割れ目の少し上、外側あたり」に、ピンポイントで強い圧痛を感じるのが、非常に特徴的です。椅子から立ち上がる時や、寝返りを打つ時に、痛みが走り、長時間座っているのがつらい、という症状もよく見られます。これらの関節性の腰痛は、椎間板ヘルニアなどと誤診されやすいですが、専門医が、徒手的な検査や、診断的なブロック注射を行うことで、正確に鑑別することが可能です。