もし、あなたが「寝ながらスマホ」の習慣から、すぐには抜け出せないでいるのなら、せめて、その日の終わりに、歪んでしまった首のアライメントをリセットし、緊張した筋肉を解放するための、簡単なストレッチを習慣にすることから始めてみてください。これは、いわば、歯磨きのようなもの。その日の汚れ(歪み)を、その日のうちに解消することが、将来の深刻なトラブルを防ぐ上で、非常に重要です。ここでは、ベッドの上でも安全に行える、基本的なストレッチを二つご紹介します。まず一つ目は、「タオルを使った頸椎カーブの回復ストレッチ」です。バスタオルを一本用意し、それを固めに丸めて、直径10cm程度の筒状にします。仰向けに寝て、その丸めたタオルを、首の骨(頸椎)の真下に、枕のように置きます。この時、タオルが肩や後頭部ではなく、首のアーチの部分に、ぴったりとフィットするように位置を調整してください。そして、全身の力を抜き、ゆっくりと深呼吸を繰り返しながら、3分から5分ほど、その状態をキープします。これにより、スマホ操作で失われた、頸椎の自然な前弯カーブを、重力を利用して、優しく、安全に回復させることができます。痛みを感じる場合は、タオルの高さを低く調整するか、中止してください。二つ目は、「首の横(胸鎖乳突筋)のストレッチ」です。寝ながらスマホの姿勢は、首の前側から横にかけての筋肉を、常に緊張させます。椅子に座るか、あぐらをかいて座り、背筋を伸ばします。右手を左の鎖骨の上に置き、皮膚を軽く下に押さえます。そして、息を吐きながら、ゆっくりと首を右後ろに傾け、左の首筋が、心地よく伸びるのを感じます。この状態で、20〜30秒、深い呼吸を繰り返します。反対側も同様に行います。この時、肩が上がらないように注意するのがポイントです。これらのストレッチは、あくまで対症療法に過ぎません。しかし、寝る前の数分間、自分の首と向き合うこの時間を持つことが、首への意識を高め、悪しき習慣から脱却するための、第一歩となるはずです。