首のストレッチで、痛みを感じやすい人の多くに共通しているのが、首の筋肉だけで、無理やり頭を動かそうとしている、という点です。実は、私たちの首の動きは、その土台である「肩甲骨」や、背骨の胸の部分である「胸椎(きょうつい)」の、しなやかな動きと、密接に連動しています。この土台部分が、長年のデスクワークなどで、ガチガチに固まっていると、その可動域の不足分を、全て、デリケートな首の関節だけで、代償しようとするため、痛みが生じやすくなるのです。つまり、安全で、効果的な首のストレッチを行うための秘訣は、「首を伸ばす前に、まず、肩甲骨と胸椎を、解放してあげる」ことにあります。ここでは、そのための、簡単なウォーミングアップストレッチをご紹介します。まず、「肩甲骨回し」です。椅子に座り、背筋を伸ばします。両手の指先を、それぞれの肩に、そっと置きます。そして、両肘で、できるだけ大きな円を描くように、ゆっくりと、前回しを10回、後ろ回しを10回行います。ポイントは、肩甲骨が、背骨から離れたり、中央に寄ったりする、ダイナミックな動きを、意識することです。次に、「胸椎の回旋ストレッチ」です。四つ這いの姿勢になり、肩の真下に手、股関節の真下に膝を置きます。左手を、頭の後ろに軽く添えます。息を吐きながら、左の肘を、右の肘の内側に入れるように、上半身を捻じります。次に、息を吸いながら、今度は、左の肘を、天井に向かって、ぐーっと開いていきます。この時、視線も肘と一緒に、天井を追いかけます。この動きを、10回ほど、ゆっくりと繰り返します。反対側も同様に行います。このストレッチは、固まりやすい胸椎の回旋の動きを、スムーズにしてくれます。これらのウォーミングアップで、首の土台を整えた後に、改めて、前述したような、基本的な首のストレッチを行ってみてください。きっと、以前よりも、首がスムーズに、そして、痛みを伴わずに、心地よく伸びるのを感じられるはずです。
首だけでなく「肩甲骨」から伸ばす、痛みの出にくいストレッチ法