首のストレッチで、どうしても痛みが出てしまう。あるいは、ストレッチを続けても、なかなか症状が改善しない。そんな時、私たちは、視点を、首という「一点」から、体全体の「繋がり」へと、広げてみる必要があります。多くの場合、首に現れている痛みは、単なる「結果」であり、その根本的な「原因」は、首から遠く離れた、別の場所に隠れているのです。その最大の容疑者が、体の土台である「骨盤」と、背骨の胸の部分である「胸椎」です。例えば、長時間のデスクワークで、骨盤が後ろに倒れ(骨盤後傾)、背中が丸まってしまう「猫背」の姿勢を想像してみてください。背中が丸まると、視線は自然と下を向きます。しかし、私たちは、前を向いて生活しなければなりません。そのため、代償行為として、顎を突き出し、首の付け根だけで、無理やり、重い頭を持ち上げようとします。この「丸まった背中の上で、頭だけを起こす」という、不自然なアライD”メン”トこそが、首の筋肉に、常に過剰な負担をかけ、痛みを引き起こす、根本的な原因なのです。この状態で、いくら首だけをストレッチしようとしても、土台である猫背や、骨盤の歪みが改善されない限り、首は、またすぐに、悪い位置へと戻らざるを得ず、ストレッチの際に、無理な力がかかって、痛みを生じやすくなります。したがって、痛みの出にくい、効果的な首のストレッチを行うためには、まず、骨盤を立てて座る習慣を身につけたり、硬くなった胸椎の柔軟性を取り戻すための、背中全体のストレッチ(キャット&カウなど)を、先に行うことが、非常に重要になります。首の痛みは、首からのメッセージであると同時に、あなたの体全体の歪みを知らせてくれる、重要なサインでもあります。その声に耳を傾け、より包括的な視点から、自分の体と向き合うことが、根本解決への近道です。
痛みの原因は首じゃない?全身の繋がりから考える