膝の痛みを自分で治すためには、弱った筋肉を「鍛える」ことと、同時に、硬くなった筋肉を「伸ばす(ストレッチする)」ことが、車の両輪のように重要です。筋肉が硬く、柔軟性を失っていると、関節の正常な動きが妨げられ、特定の場所に過剰なストレスがかかる原因となります。特に、膝痛と深く関わる、三つの主要な筋肉のストレッチは、毎日の習慣にすることをお勧めします。全てのストレッチは、お風呂上がりなどの体が温まっている時に、「痛気持ちいい」と感じる範囲で、深い呼吸と共に、20〜30秒間、静かに伸ばすのが基本です。まず、一つ目は、太ももの裏側にある「ハムストリングス」のストレッチです。この筋肉が硬いと、膝が完全に伸びにくくなり、歩行時に膝への負担が増大します。椅子に浅く座り、片方の脚を前にまっすぐ伸ばし、かかとを床につけます。背筋を伸ばしたまま、股関節から、上半身をゆっくりと前に倒していきます。太ももの裏側が、心地よく伸びるのを感じる場所で、キープします。二つ目は、太ももの前側「大腿四頭筋」のストレッチです。壁や椅子に手をついて立ち、片方の足首を持ち、かかとをお尻に、ゆっくりと引き寄せます。太ももの前側が伸びているのを感じましょう。この時、腰が反らないように、お腹に軽く力を入れておくのがポイントです。体が硬くて足首に手が届かない場合は、タオルを足首にかけて、引っ張るのでも構いません。三つ目は、お尻の筋肉「殿筋群(でんきんぐん)」のストレッチです。お尻の筋肉の硬さは、股関節の動きを制限し、その代償として、膝に負担をかける大きな原因です。椅子に深く腰掛け、片方の足首を、反対側の太ももの上に乗せます。背筋を伸ばしたまま、上半身を前に倒していくと、乗せた脚側のお尻の筋肉が、強くストレッチされます。これらの筋肉の柔軟性を取り戻すことで、膝関節は、本来の滑らかな動きを取り戻し、痛みから解放されていくのです。
硬くなった筋肉を伸ばす、膝痛改善のための必須ストレッチ