登山中や、スポーツの後、あるいは、朝起きたら、急に膝が腫れて、熱を持っている。そんな時、病院に行くまでの間、自分自身でできる、症状を和らげ、悪化を防ぐための、基本的な「応急処置」があります。それが、スポーツ医学の分野では常識となっている「RICE(ライス)処置」です。RICEとは、Rest(安静)、Icing(冷却)、Compression(圧迫)、Elevation(挙上)という、四つの処置の頭文字をとったものです。この処置の目的は、関節内で起きている「炎症」を、可及的速やかに鎮静化させることにあります。まず、「Rest(安静)」です。痛みや腫れがあるときは、無理に動いたり、体重をかけたりせず、まずは膝を休ませることが最優先です。歩くのを最小限にし、椅子に座ったり、横になったりして、膝への負担を減らします。次に、「Icing(冷却)」です。炎症を抑え、痛みを和らげるために、患部を冷やします。ビニール袋に入れた氷や、保冷剤などを、タオルで包み、腫れて熱を持っている部分を中心に、15分から20分程度当てます。冷やしすぎると凍傷の危険があるため、感覚がなくなったら、一度中断し、また時間をおいて繰り返します。湿布にも消炎鎮痛効果はありますが、深部まで冷やす効果は、アイシングに劣ります。次に、「Compression(圧迫)」です。内出血や、さらなる腫れの広がりを防ぐために、患部を、弾性包帯やサポーターなどで、適度に圧迫します。ただし、強く締めすぎると、血行が悪化してしまうため、しびれや変色が現れないか、注意が必要です。最後に、「Elevation(挙上)」です。横になる際に、膝の下に、クッションや座布団などを入れ、膝の位置を、心臓よりも高く保ちます。これにより、重力を利用して、腫れや、うっ血を軽減することができます。このRICE処置は、あくまで、医療機関を受診するまでの、初期対応です。これらの処置で、一時的に痛みが和らいだとしても、水がたまる根本原因が解決されたわけではありません。必ず、早めに整形外科を受診し、専門医による正確な診断を受けるようにしてください。