私の趣味は、週末ごとに山へ出かけることでした。しかし、50歳を過ぎた頃から、下山時に決まって右膝が痛み出し、その痛みは年々ひどくなるばかり。整形外科では「変形性膝関節症の初期ですね」と診断され、湿布と痛み止めを渡されるだけ。もう、あの山頂からの景色を見ることはできないのかと、絶望的な気持ちでいました。そんな時、テレビで見たのが、グルコサミンとコンドロイチンのサプリメントでした。「これで歩けるようになるなら」。藁にもすがる思いで、私は、宣伝されていた商品を早速購入し、毎日欠かさず飲み始めました。1ヶ月、2ヶ月…しかし、膝の痛みは、一向に良くなる気配がありません。「やっぱり、気休めだったのか」。そう諦めかけた時、登山雑誌で、膝痛克服の特集記事を目にしました。そこに書かれていたのは、サプリメントの話ではなく、大腿四頭筋を鍛えるトレーニングと、トレッキングポールの正しい使い方でした。私は、半信半疑ながらも、書かれていた通りのスクワットを、毎日少しずつ始めました。そして、次の登山では、生まれて初めて、2本のトレッキングポールを使ってみました。すると、驚いたことに、下山時の膝の痛みが、いつもより明らかに軽いのです。それから、私は、サプリメントを飲むことも続けながら、筋力トレーニングと、膝に負担の少ない歩き方の練習に、真剣に取り組みました。半年後、私は、以前と同じように、険しい山の頂に立っていました。膝の痛みは、完全になくなったわけではありません。でも、それは、不安や恐怖ではなく、自分の体と対話するための、大切なサインに変わっていました。今、思うのです。私の膝を救ってくれたのは、サプリメントだけではなかった、と。サプリメントは、私が「諦めずに、何かを始めよう」と思う、最初のきっかけをくれた、大切なお守りのような存在。そして、本当に私を支えてくれたのは、地道な努力で育て上げた、自分自身の筋肉という、最強のサプリメントだったのだと。